アメリカでは認知症になる事を、long goodbyeと言うそうだ。
長いお別れ。
上手いこと言うなぁと、知った時に思った。
認知症と診断されて、約5年。
施設に入所して、コロナが流行り始めて、この3年程は、1ヶ月に一回の通院時の付き添いや、面会もタブレット越しだったりと、あまり会う事ができなかった。
昨年2月に尿路感染で入院した際は、面会に1人で行った娘が、話したよと言っていた。
話ができるのもそれが最後になって、そこから発語する事はなくなってしまった。
父の事で苦労し、甥を育てて実家の近くに住んでいる私の娘や息子の面倒も見てくれて、働いている私の為に、私の家の事も手伝ってくれて。
孫の行事には全て出席して、本当にお世話で明け暮れた人生だったなぁ。
少しづつ、忘れていかないと母も辛かったろうし、私達に心の準備をさせてくれたのだと思う。結局全然出来てなかったけど。
でも、父の様に癌が発覚して、3ヶ月であっという間に亡くなるよりもまだ、心の準備ができたのかなぁ。
発語が出来なくなってしまったので、よくあるどちら様って言われた事はなかったけれど、いつまで覚えてくれていたのかなぁと思ってしまう。
母さん、ほんまにありがとう。
来世があるなら、また母さんの子供でいたい。
私はまだしばらくこっちに居るけど、いつかまた、会える日を楽しみに。
母さんに会えると思ったら、死ぬ事も少しは怖く無くなるよ。
お別れなんて言いたくないけど、またね母さん、バイバイ。