母のこと

終末期に入ってしまった母のこと

新幹線チケット

湯灌が終わった時に、棺に思い出の品を入れさせてもらえた。

最後に山口行きの新幹線のチケットを胸元にいれた。

ずっと帰りたがっていたのに、連れて帰ってやれず後悔していた。

亡くなって、葬儀の打ち合わせが終わってすぐにチケットを買いに行った。

これは誰にも頼まず、自分で買ってきたかったのだ。

火葬場に行く時間に合わせて、海側の席を購入した。

お気に入りの、よそ行きのブラウスとスカートも入れた。

水島のコンビナート眺めながら、大好きな祭り寿司を食べて、祖父母の元へ帰ってくれたと思う。

チケットの事を話す前に、数年前に先に亡くなってしまった母の妹の従姉妹が、きっと今頃、山口で昔みたいに夜中迄、おばあちゃんや皆んなで話しているよと言ってくれた。

ブログのアイコンは、母の故郷の小学校の有名な桜の木だ。

来年の春には、桜の季節まで生きていれるかな?と言って間に合わず亡くなってしまった父と一緒に、花見をしてくれたらいいな。